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Cryopreservation of Mouse Embryos by Ethylene Glycol-Based Vitrification

JoVE 3155 11/18/2011

BRC Current Technology December 2015


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10. 近交系マウスの効果的な過排卵誘起法

生殖・発生工学技術の効率が3 倍アップ

PDF: 893 kB

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他の哺乳動物と比較してマウスは卵子および受精卵の採取や利用が容易であり、体外受精や遺伝子操作のような生殖・発生工学技術が最も発達しています。1匹の成熟マウスから20-40個程度の卵子を採取するために、卵胞刺激ホルモン(FSH)作用を持つウマ絨毛性性腺刺激ホルモン(equine chorionic gonadotropin、eCG)を用いた過排卵誘起法が世界中で広く用いられています。一方で、発達した卵胞からはインヒビンというたんぱく質が分泌され、マウス自身のFSH分泌を抑制することで、排卵する卵子数を調節する機構があります。そこで抗インヒビン血清を投与すると、eCG投与よりも約2倍の卵子を採取できるようになりました。また、性成熟したマウスでは4-6日に1度排卵が起こる性周期がみられます。家畜のような完全性周期動物ではプロジェステロンを長期投与することにより、性周期を黄体期で停止させることができます。不完全性周期動物であるマウスでは黄体期がありませんが、私たちはマウスに2日連続してプロジェステロンを投与することで、その2日後に93%のマウスが発情後期の膣垢像を示すことを観察しました。更に抗インヒビン血清を投与するのは、各性周期の中でも発情後期がもっとも効果的であったことから、プロジェステロンによる性周期の同期化と抗インヒビン血清の投与を組み合わせることで、従来のeCG投与よりも約3倍の正常卵子を採取することができました。この方法は一般的な近交系統、クローズドコロニー系統や交雑系統のマウスでも同様に効果的であり、1年を超えた高週齢のマウスでも3倍の効率で体外受精由来の産子を獲得することができました。この方法により、希少なマウスからも効率的に受精卵や産子を獲得できる可能性が高まるとともに、実験に使用するマウスの数を大幅に削減できることから、動物倫理の3Rの1つであるReductionを実践しつつ、更なる生命科学の発展に繋がる技術と考えられます。

 

[1] Hasegawa A, Mochida K, Inoue H, Noda Y, Endo T, Watanabe G, Ogura A.  High-Yield Superovulation in Adult Mice by Anti-Inhibin Serum Treatment Combined with Estrous Cycle Synchronization. Biol Reprod 2015 Dec 2. pii: biolreprod.115.134023. [Epub ahead of print] PMID: 26632610