A model for bipolar disorder

RIKEN BRC May 2006
Mouse of the Month
躁うつ病モデルマウス
A model for bipolar disorder

ミトコンドリアDNA合成酵素 (POLG) 変異体トランスジェニックマウス
Mitochondorial DNA polymerase (POLG) mutant transgenic mouse
BRC No. 01498 C57BL/6-Tg(Camk2-mutPolg)1Bsi

 

(左図)躁うつ病モデルマウスであるミトコンドリアDNA合成酵素(POLG)変異体トランスジェニックマウス
(右図)躁うつ病モデルマウスの行動パターン横軸は時間(24時間)、縦軸が輪回し行動量を示しています。 周期的に行動量が変化している様子がわかります。 このマウスに躁うつ病治療薬の一つであるリチウムを投与したところ、周期的な行動量の変化は収まりました。
  躁うつ病は、二大精神疾患の一つで、躁状態とうつ状態を繰り返す病気です。 これまでの研究から、躁うつ病の患者ではミトコンドリア機能障害が見られること、ミトコンドリア病には躁うつ病やうつ病を伴う場合があることなどが知られています。 そこで、ミトコンドリアDNA合成酵素 (POLG) の校正活性を失わせた変異体 (D181A) の遺伝子と前脳特異的プロモーター(CaMKIIajを結合したトランスジーンを導入したマウスを作製し、脳にミトコンドリア機能障害を誘導したところ、躁うつ病に類似した行動特性を示すマウスが得られました。 このマウスは躁うつ病のモデル動物となる可能性があり、躁うつ病の原因究明につながるばかりではなく、本疾患に有効な新薬の開発にも寄与することが期待されます。
寄託者 加藤 忠史チームリーダー(理研脳科学総合研究センター)
参考文献 T. Kasahara, M. Kubota, T. Miyauchi, Y. Noda, A. Mouri, T. Nabeshima and T. Kato
Mice with neuron-specific accumulation of mitochondrial DNA mutations show mood disorder-like phenotypes.
Molecular Psychiatry advance online publication 18 April 2006
http://www.nature.com/mp/journal/vaop/ncurrent/full/4001824a.html
関連情報は下記URLへ
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2006/20060418_1/20060418_1.pdf


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