January 2006 Mouse of the Month |
A Model for Hyperlipidemia
SHL: Spontaneous Mutation in the Apolipoprotein E gene |
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日本産野生モロシヌスマウス系統(KOR, Mus musculus molossinus )に生じた自然突然変異であり、高脂血症、動脈硬化の症状を示す。 アポリポ蛋白E遺伝子の突然変異によるアポE欠損により発症することが明らかになっている。 アポEは脂質代謝に重要であり、SHLマウスのホモ型では普通食で血清総コレステロールの高値、動脈硬化、重度の皮膚黄色腫が認められる。 B6アポEノックアウトマウスとSHLマウスを比較すると、SHLマウスの方が高脂血症が重度であるのにもかかわらず、動脈硬化症は軽度である。 このような、遺伝的背景による表現型の差異を考察する「個の医療モデル」としてアポE変異遺伝子ApoeshlをC57BL/6、BALB/c、C3H/He およびDBA/2マウスに導入したコンジェニックSHLマウスは、日本エスエルシーから市販されている。 高脂血症、動脈硬化症の機序、予防および治療法、創薬研究、食品成分による血清脂質改善機能評価等に役立つ疾患モデルマウスである。
寄託者:松島芳文博士・埼玉県立がんセンター 臨床腫瘍研究所
参考文献: |
Matsushima Y et al., Mamm. Genome., 10, 352-357 (1999). |
Matsushima Y et al., J. Atheroscler. Thromb., 8, 71-79 (2001). |
松島芳文 The Lipid, 13, 318-324 (2002). |
Matsushima Y et al., Clin. Exp. Pharmacol. Physiol., 30,295-299(2003). |
Ide T et al., J. Nutr. Biochem., 15,169-178 (2004). |
日本エスエルシー http://www.jslc.co.jp/ |