マウス系統の品質管理

提供時の品質管理
寄託時の品質管理


提供時の品質管理

寄託者から提供された情報に基づいて遺伝検査および微生物検査を実施しています。

下記、生体維持系統凍結胚凍結精子凍結胚から作製した個体凍結精子から作製した個体海外機関の凍結系統から作製した個体ならびに海外機関のES細胞から作製したキメラの品質検査の実施項目、未実施項目および追加実施項目をご確認ください。

利用者の皆様には、受入れ後本格的に利用する前のなるべく早い時期にバイオリソースの品質、特性についてご確認ください。少しでも不具合や疑義がありましたら、速やかに対応させていただきますので、是非、ご連絡(animal.brc@riken.jp宛)をお願いいたします。利用者の皆様からのフィードバックがリソースの質の向上に必要不可欠です。



生体維持系統

▾遺伝品質検査

・   検査は寄託時または提供前に実施し、結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

・   系統の分類ごとの検査項目の実施状況を下表に記載。記載のない検査項目は「未実施項目」を参照。

 

系統の分類*

検査項目の実施()、一部実施(△)、未実施()の別

トランスジーン特異的検査1)

標的遺伝子特異的遺伝子型検査2)

KO-survey3)

loxP/FRT-survey4)

BAC-loxP検査5)

遺伝背景検査6)

LMO TG
LMO BAC-TG
LMO cTG
LMO KO, KI, CRISPR/Cas9
LMO cKO
自然・ENU誘発突然変異系統
近交系
野生由来系統

*系統の分類(略号):トランスジェニックマウス(TG)、BACクローンを用いて作製したトランスジェニックマウス(BAC-TG)、コンディショナルトランスジェニックマウス(cTG)、ノックアウトマウス(KO)、ノックインマウス(KI)、コンディショナルノックアウトマウス(cKO)、CRISPR/Cas9によるノックアウトマウス(CRISPR/Cas9)。

実施項目:

  1. トランスジーン特異的検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計したトランスジーン特異的なPCRプライマーにより、プロモーターとその制御下で発現する遺伝子を検出するPCR検査。
  2. 標的遺伝子特異的遺伝子型検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計した標的遺伝子特異的なPCRプライマーにより検査。検査を実施した自然・ENU誘発突然変異系統とその結果はウェブカタログに掲載。
  3. KO survey:すべてのTG、KO、KI、CRISPR/Cas9および突然変異系統を対象とした、他の遺伝子組換えマウスとのコンタミがないことを確認するための代表的なマーカー遺伝子10種類(neo, Pgk-neo, Tk-neo, IRES, lacZ, GFP, Cre, Flp, Puro, Hyg)の検査(Nakata H et al. Exp Anim 58: 437-442, 2009)。
    2016年10月18日より、Marker Gene Detection Kitを用いてKO survey検査を実施しています。
  4. loxP/FRT-survey:cTGおよびcKOマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、各loxP(またはFRT)間の領域を増幅するPCRにより得られる断片の長さの検査(Nakata H et al. Genes Cells, 2021)。コンディショナル系統として必要な構造の確認。
  5. BAC-loxP検査:BAC-TGマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、BACベクター由来のloxPの有無の検査。
  6. 遺伝背景検査:近交系、野生由来系統を特徴づける既知のマイクロサテライトマーカーまたはsingle nucleotide polymorphism (SNP)マーカーを用いたPCR検査。検査を実施した系統とその結果はウェブカタログに掲載。

未実施項目:

・  対象遺伝子・領域のシークエンス:すべてのTG、KO、KI、CRISPR/Cas9および自然・ENU誘発突然変異系統において、トランスジーン、標的遺伝子及びその他の対象遺伝子の塩基配列決定。

・  トランスジーンのゲノム上の挿入部位検査。トランスジーンのコピー数の検査。

・  対象遺伝子の発現解析(RT-PCR、ノーザンハイブリダイゼーション、ウェスタンブロッティング、GFP/lacZなどのレポーター発現等を含む)。

・  剖検、組織観察、フローサイトメトリー解析及び専用設備・技術が必要な表現型の検査。

・  対象遺伝子のサザンハイブリダイゼーション解析。

・  染色体の核型解析、FISH解析及びクロモゾームペイント。

追加実施項目:

・  未実施項目及び上記以外の未実施項目を検査した系統については、結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

・  未実施項目及び上記以外の未実施項目について、利用者の希望があり当室にて実施可能な場合は、有償にて検査。結果およびプロトコールはウェブカタログに掲載。

▾微生物検査

・   3ヶ月に一度、飼育ラックの囮マウスを用いた微生物検査を実施。検査結果はウェブカタログに掲載。

・   寄託されたマウスは寄託時の微生物汚染状況に従い分別飼育し、その後、全て清浄化操作を実施。

・   清浄化後の検査結果の全項目が陰性であることを目指すが、検査項目で陽性が判明した場合は、その内容を当該リソースを提供した利用者に通知およびホームページに掲載して注意を喚起。

 

微生物検査対象系統*

検査対象病原体(〇:実施 -:未実施)

クラスA

クラスB

クラスC

クラスD

Clostridium piliforme (Tyzzer’s organism),

Ectromelia virus,

Hantaan virus,

Lymphocytic choriomeningitis virus (LCMV),

Mouse hepatitis virus (MHV),

Mycoplasma pulmonis,

Salmonella typhimurium,

Sendai virus (HVJ)

Filobacterium rodentium,

Citrobacter rodentium,

Corynebacterium kutscheri,

Dermatophytes,

Ectoparasites,

Helicobacter bilis,

Helicobacter hepaticus,

Intestinal protozoa,

Pasteurella pneumotropica,

Pinworms,

Salmonella spp.

Stapylococcus aureus,

Pneumocystis murina,

Pseudomonas aeruginosa

Lactate dehydrogenase elevating virus (LDHEV),

Mouse adenovirus (MAV),

Mouse cytomegalovirus (MCMV),

Mouse minute virus (MMV),

Mouse norovirus (MNV),

Mouse parvovirus (MPV),

Mouse polyoma virus (Poly),

Mouse rotavirus (EDIM),

Pneumonia virus of mice (PVM),

Reovirus type 3 (Reo 3),

Theiler’s mouse encephalomielitis virus (TMEV)

一般系統
免疫不全系統

*免疫関連遺伝子の欠損等によりクラスC病原体の感受性が高く、微生物学的に特に注意すべき系統を免疫不全系統として、その他の一般系統と区別。しかし一般系統であっても、飼育環境や実験条件によりクラスC病原体感染に弱い場合があり、利用する系統の情報を参考に利用者自身での検討が必要。

実施項目:

・   上表〇印を抗体産生、培養、PCR等により検査。

未実施項目:

・   一般系統に対するクラスCの検査。

・   クラスDの検査。

・   検査対象病原体表(クラスA、B、C、D)のいずれにも該当しない病原体の検査。

・   提供系統自体のマウスを用いた検査。

追加実施項目:

・   上記の未実施項目のうち実施した項目(希望に応じて有償にて実施)。


▾凍結胚

▾個体復元試験

実施項目:

・   凍結胚を融解後、仮親に移植して個体への復元率を試験。成績をウェブカタログに掲載。

▾遺伝品質検査

・  検査は寄託マウス、凍結胚作製時の親マウスならびに個体復元試験により得られたマウスを用いて実施。結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

・  凍結胚自体の遺伝検査は非実施。

・  系統の分類ごとの検査項目の実施状況を下表に記載。記載のない検査項目は「未実施項目」を参照。

 

系統の分類*

検査項目の実施()、一部実施(△)、未実施()の別

トランスジーン特異的検査1)

標的遺伝子特異的遺伝子型検査2)

KO-survey3)

loxP/FRT-survey4)

BAC-loxP検査5)

遺伝背景検査6)

LMO TG
LMO BAC-TG
LMO cTG
LMO KO, KI, CRISPR/Cas9
LMO cKO
自然・ENU誘発突然変異系統
近交系
野生由来系統

*系統の分類(略号):トランスジェニックマウス(TG)、BACクローンを用いて作製したトランスジェニックマウス(BAC-TG)、コンディショナルトランスジェニックマウス(cTG)、ノックアウトマウス(KO)、ノックインマウス(KI)、コンディショナルノックアウトマウス(cKO)、CRISPR/Cas9によるノックアウトマウス(CRISPR/Cas9)。

実施項目:

  1. トランスジーン特異的検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計したトランスジーン特異的なPCRプライマーにより、プロモーターとその制御下で発現する遺伝子を検出するPCR検査。
  2. 標的遺伝子特異的遺伝子型検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計した標的遺伝子特異的なPCRプライマーにより検査。検査を実施した自然・ENU誘発突然変異系統とその結果はウェブカタログに掲載。
  3. KO survey:すべてのTG、KO、KI、CRISPR/Cas9および突然変異系統を対象とした、他の遺伝子組換えマウスとのコンタミがないことを確認するための代表的なマーカー遺伝子10種類(neo, Pgk-neo, Tk-neo, IRES, lacZ, GFP, Cre, Flp, Puro, Hyg)の検査(Nakata H et al. Exp Anim 58: 437-442, 2009)。
    2016年10月18日より、Marker Gene Detection Kitを用いてKO survey検査を実施しています。
  4. loxP/FRT-survey:cTGおよびcKOマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、各loxP(またはFRT)間の領域を増幅するPCRにより得られる断片の長さの検査(Nakata H et al. Genes Cells, 2021)。コンディショナル系統として必要な構造の確認。
  5. BAC-loxP検査:BAC-TGマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、BACベクター由来のloxPの有無の検査。
  6. 遺伝背景検査:近交系、野生由来系統を特徴づける既知のマイクロサテライトマーカーまたはsingle nucleotide polymorphism (SNP)マーカーを用いたPCR検査。検査を実施した系統とその結果はウェブカタログに掲載。

未実施項目:

・  対象遺伝子・領域のシークエンス:すべてのTG、KO、KI、CRISPR/Cas9および自然・ENU誘発突然変異系統において、トランスジーン、標的遺伝子及びその他の対象遺伝子の塩基配列決定。

・  トランスジーンのゲノム上の挿入部位検査。トランスジーンのコピー数の検査。

・  対象遺伝子の発現解析(RT-PCR、ノーザンハイブリダイゼーション、ウェスタンブロッティング、GFP/lacZなどのレポーター発現等を含む)。

・  剖検、組織観察、フローサイトメトリー解析及び専用設備・技術が必要な表現型の検査。

・  対象遺伝子のサザンハイブリダイゼーション解析。

・  染色体の核型解析、FISH解析及びクロモゾームペイント。

追加実施項目:

・  未実施項目及び上記以外の未実施項目を検査した系統については、結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

・  未実施項目及び上記以外の未実施項目について、利用者の希望があり当室にて実施可能な場合は、有償にて検査。結果およびプロトコールはウェブカタログに掲載。

▾微生物検査

・   個体復元試験時の仮親または里親の微生物検査を実施。

・   清浄化後の検査結果の全項目が陰性であることを目指すが、検査項目で陽性が判明した場合は、その内容を当該リソースを提供した利用者に通知およびホームページに掲載して注意を喚起。

 

微生物検査対象系統*

検査対象病原体(〇:実施 -:未実施)

クラスA

クラスB

クラスC

クラスD

Clostridium piliforme (Tyzzer’s organism),

Ectromelia virus,

Lymphocytic choriomeningitis virus (LCMV),

Mouse hepatitis virus (MHV),

Mycoplasma pulmonis,

Salmonella typhimurium,

Sendai virus (HVJ)

Filobacterium rodentium,

Citrobacter rodentium,

Corynebacterium kutscheri,

Dermatophytes,

Ectoparasites,

Helicobacter bilis,

Helicobacter hepaticus,

Intestinal protozoa,

Pasteurella pneumotropica,

Pinworms,

Salmonella spp.

Stapylococcus aureus,

Pneumocystis murina,

Pseudomonas aeruginosa

Lactate dehydrogenase elevating virus (LDHEV),

Mouse adenovirus (MAV),

Mouse cytomegalovirus (MCMV),

Mouse minute virus (MMV),

Mouse norovirus (MNV),

Mouse parvovirus (MPV),

Mouse polyoma virus (Poly),

Mouse rotavirus (EDIM),

Pneumonia virus of mice (PVM),

Reovirus type 3 (Reo 3),

Theiler’s mouse encephalomielitis virus (TMEV)

一般系統
免疫不全系統

*免疫関連遺伝子の欠損等によりクラスC病原体の感受性が高く、微生物学的に特に注意すべき系統を免疫不全系統として、その他の一般系統と区別。しかし一般系統であっても、飼育環境や実験条件によりクラスC病原体感染に弱い場合があり、利用する系統の情報を参考にして利用者自身での検討が必要。

実施項目:

・   上表〇印を抗体産生、培養、PCR等により検査。

未実施項目:

・   一般系統に対するクラスCの検査。

・   クラスDの検査。

・   検査対象病原体表(クラスA、B、C、D)のいずれにも該当しない病原体の検査。

・   提供系統自体のマウスを用いた検査。

追加実施項目:

・   未実施項目のうち個体復元試験時の保存血清サンプルあるいは保存臓器で検査可能な項目を希望に応じて有償にて実施。

 


▾凍結精子

▾精子の性能検査

実施項目:

・   精子を採取後、凍結前の新鮮精子の運動性及び濃度の検査。

未実施項目:

・   凍結精子を用いた個体への復元試験。

追加実施項目:

・   個体化の実績がある系統の凍結精子については、体外受精および個体への復元成績をウェブカタログに掲載。

▾遺伝品質検査

・   凍結精子は遺伝検査済みの雄個体を用いて作製。

・   凍結精子自体の遺伝検査は非実施。

・   検査は寄託時ならびに凍結精子作製時に実施。結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

・   系統の分類ごとの検査項目の実施状況を下表に記載。記載のない検査項目は「未実施項目」を参照。

 

系統の分類*

検査項目の実施()、一部実施(△)、未実施()の別

トランスジーン特異的検査1)

標的遺伝子特異的遺伝子型検査2)

KO-survey3)

loxP/FRT-survey4)

BAC-loxP検査5)

遺伝背景検査6)

LMO TG
LMO BAC-TG
LMO cTG
LMO KO, KI, CRISPR/Cas9
LMO cKO
自然・ENU誘発突然変異系統
近交系
野生由来系統

*系統の分類(略号):トランスジェニックマウス(TG)、BACクローンを用いて作製したトランスジェニックマウス(BAC-TG)、コンディショナルトランスジェニックマウス(cTG)、ノックアウトマウス(KO)、ノックインマウス(KI)、コンディショナルノックアウトマウス(cKO)、CRISPR/Cas9によるノックアウトマウス(CRISPR/Cas9)。

実施項目:

  1. トランスジーン特異的検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計したトランスジーン特異的なPCRプライマーにより、プロモーターとその制御下で発現する遺伝子を検出するPCR検査。
  2. 標的遺伝子特異的遺伝子型検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計した標的遺伝子特異的なPCRプライマーにより検査。検査を実施した自然・ENU誘発突然変異系統とその結果はウェブカタログに掲載。
  3. KO survey:すべてのTG、KO、KI、CRISPR/Cas9および突然変異系統を対象とした、他の遺伝子組換えマウスとのコンタミがないことを確認するための代表的なマーカー遺伝子10種類(neo, Pgk-neo, Tk-neo, IRES, lacZ, GFP, Cre, Flp, Puro, Hyg)の検査(Nakata H et al. Exp Anim 58: 437-442, 2009)。
    2016年10月18日より、Marker Gene Detection Kitを用いてKO survey検査を実施しています。
  4. loxP/FRT-survey:cTGおよびcKOマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、各loxP(またはFRT)間の領域を増幅するPCRにより得られる断片の長さの検査(Nakata H et al. Genes Cells, 2021)。コンディショナル系統として必要な構造の確認。
  5. BAC-loxP検査:BAC-TGマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、BACベクター由来のloxPの有無の検査。
  6. 遺伝背景検査:近交系、野生由来系統を特徴づける既知のマイクロサテライトマーカーまたはsingle nucleotide polymorphism (SNP)マーカーを用いたPCR検査。検査を実施した系統とその結果はウェブカタログに掲載。

未実施項目:

・  対象遺伝子・領域のシークエンス:すべてのTG、KO、KI、CRISPR/Cas9および自然・ENU誘発突然変異系統においてトランスジーン、標的遺伝子及びその他の対象遺伝子の塩基配列決定。

・  トランスジーンのゲノム上の挿入部位検査。トランスジーンのコピー数の検査。

・  対象遺伝子の発現解析(RT-PCR、ノーザンハイブリダイゼーション、ウェスタンブロッティング、GFP/lacZなどのレポーター発現等を含む)。

・  剖検、組織観察、フローサイトメトリー解析及び専用設備・技術が必要な表現型の検査。

・  対象遺伝子のサザンハイブリダイゼーション解析。

・  染色体の核型解析、FISH解析及びクロモゾームペイント。

追加実施項目:

・  未実施項目及び上記以外の未実施項目を検査した系統については、結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

・  未実施項目及び上記以外の未実施項目について、利用者の希望があり当室にて実施可能な場合は、有償にて検査。結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

▾微生物検査

・   非実施。精子凍結に使用した雄マウスおよび精子自体の微生物検査は非実施。

追加実施項目:

・  凍結精子作製時の保存血清サンプルあるいは保存臓器で検査可能な項目を希望に応じて有償にて実施。

 


▾凍結胚・精子から個体化したマウス

▾遺伝品質検査

・   検査は寄託時または提供前に実施し、結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

・   系統の分類ごとの検査項目の実施状況を表に記載。記載のない検査項目は「未実施項目」を参照。

 

系統の分類*

検査項目の実施()、一部実施(△)、未実施()の別

トランスジーン特異的検査1)

標的遺伝子特異的遺伝子型検査2)

KO-survey3)

loxP/FRT-survey4)

BAC-loxP検査5)

遺伝背景検査6)

LMO TG
LMO BAC-TG
LMO cTG
LMO KO, KI, CRISPR/Cas9
LMO cKO
自然・ENU誘発突然変異系統
近交系
野生由来系統

*系統の分類(略号):トランスジェニックマウス(TG)、BACクローンを用いて作製したトランスジェニックマウス(BAC-TG)、コンディショナルトランスジェニックマウス(cTG)、ノックアウトマウス(KO)、ノックインマウス(KI)、コンディショナルノックアウトマウス(cKO)、CRISPR/Cas9によるノックアウトマウス(CRISPR/Cas9)。

実施項目:

  1. トランスジーン特異的検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計したトランスジーン特異的なPCRプライマーにより、プロモーターとその制御下で発現する遺伝子を検出するPCR検査。
  2. 標的遺伝子特異的遺伝子型検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計した標的遺伝子特異的なPCRプライマーにより検査。検査を実施した自然・ENU誘発突然変異系統とその結果はウェブカタログに掲載。
  3. KO survey:すべてのTG、KO、KI、CRISPR/Cas9および突然変異系統を対象とした、他の遺伝子組換えマウスとのコンタミがないことを確認するための代表的なマーカー遺伝子10種類(neo, Pgk-neo, Tk-neo, IRES, lacZ, GFP, Cre, Flp, Puro, Hyg)の検査(Nakata H et al. Exp Anim 58: 437-442, 2009)。
    2016年10月18日より、Marker Gene Detection Kitを用いてKO survey検査を実施しています。
  4. loxP/FRT-survey:cTGおよびcKOマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、各loxP(またはFRT)間の領域を増幅するPCRにより得られる断片の長さの検査(Nakata H et al. Genes Cells, 2021)。コンディショナル系統として必要な構造の確認。
  5. BAC-loxP検査:BAC-TGマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、BACベクター由来のloxPの有無の検査。
  6. 遺伝背景検査:近交系、野生由来系統を特徴づける既知のマイクロサテライトマーカーまたはsingle nucleotide polymorphism (SNP)マーカーを用いたPCR検査。検査を実施した系統とその結果はウェブカタログに掲載。

未実施項目:

・  対象遺伝子・領域のシークエンス:すべてのTG、KO、KI、CRISPR/Cas9および自然・ENU誘発突然変異系統において、トランスジーン、標的遺伝子及びその他の対象遺伝子の塩基配列決定。

・  トランスジーンのゲノム上の挿入部位検査。トランスジーンのコピー数の検査。

・  対象遺伝子の発現解析(RT-PCR、ノーザンハイブリダイゼーション、ウェスタンブロッティング、GFP/lacZなどのレポーター発現等を含む)。

・  剖検、組織観察、フローサイトメトリー解析及び専用設備・技術が必要な表現型の検査。

・  対象遺伝子のサザンハイブリダイゼーション解析。

・  染色体の核型解析、FISH解析及びクロモゾームペイント。

追加実施項目:

・  未実施項目及び上記以外の未実施項目を検査した系統については、結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

・  未実施項目及び上記以外の未実施項目について、利用者の希望があり当室にて実施可能な場合は、有償にて検査。結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

▾微生物検査

・   3ヶ月に一度、個体作製に使用する仮親または里親マウスと同じ飼育ラックの囮マウスを用いた微生物検査を実施。検査結果はウェブカタログに掲載。

・   清浄化後の検査結果の全項目が陰性であることを目指すが、検査項目で陽性が判明した場合は、その内容を当該リソースを提供した利用者に通知およびホームページに掲載して注意を喚起。

 

微生物検査対象系統*

検査対象病原体(〇:実施 -:未実施)

クラスA

クラスB

クラスC

クラスD

Clostridium piliforme (Tyzzer’s organism),

Ectromelia virus,

Lymphocytic choriomeningitis virus (LCMV),

Mouse hepatitis virus (MHV),

Mycoplasma pulmonis,

Salmonella typhimurium,

Sendai virus (HVJ)

Filobacterium rodentium,

Citrobacter rodentium,

Corynebacterium kutscheri,

Dermatophytes,

Ectoparasites,

Helicobacter bilis,

Helicobacter hepaticus,

Intestinal protozoa,

Pasteurella pneumotropica,

Pinworms,

Salmonella spp.

Stapylococcus aureus,

Pneumocystis murina,

Pseudomonas aeruginosa

Lactate dehydrogenase elevating virus (LDHEV),

Mouse adenovirus (MAV),

Mouse cytomegalovirus (MCMV),

Mouse minute virus (MMV),

Mouse norovirus (MNV),

Mouse parvovirus (MPV),

Mouse polyoma virus (Poly),

Mouse rotavirus (EDIM),

Pneumonia virus of mice (PVM),

Reovirus type 3 (Reo 3),

Theiler’s mouse encephalomielitis virus (TMEV)

一般系統
免疫不全系統

*免疫関連遺伝子の欠損等によりクラスC病原体の感受性が高く、微生物学的に特に注意すべき系統を免疫不全系統として、その他の一般系統と区別。しかし一般系統であっても、飼育環境や実験条件によりクラスC病原体感染に弱い場合があり、利用する系統の情報を参考にして利用者自身での検討が必要。

実施項目:

・   上表〇印を抗体産生、培養、PCR等により検査。

未実施項目:

・   一般系統に対するクラスCの検査。

・   クラスDの検査。

・   検査対象病原体表(クラスA、B、C、D)のいずれにも該当しない病原体の検査。

・   提供系統自体のマウスを用いた検査。

追加実施項目:

・  個体作製に用いた仮親または里親自体の微生物検査を希望に応じて有償にて実施。

・  作製した提供個体自体の微生物検査を希望に応じて有償にて実施。

・  個体作製時の保存血清サンプルあるいは保存臓器で検査可能な項目を希望に応じて有償にて実施。

・  その他の上記の未実施項目を希望に応じて有償にて実施。


▾海外機関の凍結系統から作製した個体

得られた産仔はすべて利用者へ提供。

▾遺伝品質検査

・   非実施。

▾微生物検査

・   3ヶ月に一度、個体作製に使用する仮親または里親マウスと同じ飼育ラックの囮マウスを用いた微生物検査を実施。検査結果はウェブカタログに掲載。

・   清浄化後の検査結果の全項目が陰性であることを目指すが、検査項目で陽性が判明した場合は、その内容を当該リソースを提供した利用者に通知およびホームページに掲載して注意を喚起。

 

微生物検査対象系統*

検査対象病原体(〇:実施 -:未実施)

クラスA

クラスB

クラスC

クラスD

Clostridium piliforme (Tyzzer’s organism),

Ectromelia virus,

Lymphocytic choriomeningitis virus (LCMV),

Mouse hepatitis virus (MHV),

Mycoplasma pulmonis,

Salmonella typhimurium,

Sendai virus (HVJ)

Filobacterium rodentium,

Citrobacter rodentium,

Corynebacterium kutscheri,

Dermatophytes,

Ectoparasites,

Helicobacter bilis,

Helicobacter hepaticus,

Intestinal protozoa,

Pasteurella pneumotropica,

Pinworms,

Salmonella spp.

Stapylococcus aureus,

Pneumocystis murina,

Pseudomonas aeruginosa

Lactate dehydrogenase elevating virus (LDHEV),

Mouse adenovirus (MAV),

Mouse cytomegalovirus (MCMV),

Mouse minute virus (MMV),

Mouse norovirus (MNV),

Mouse parvovirus (MPV),

Mouse polyoma virus (Poly),

Mouse rotavirus (EDIM),

Pneumonia virus of mice (PVM),

Reovirus type 3 (Reo 3),

Theiler’s mouse encephalomielitis virus (TMEV)

一般系統
免疫不全系統

*免疫関連遺伝子の欠損等によりクラスC病原体の感受性が高く、微生物学的に特に注意すべき系統を免疫不全系統として、その他の一般系統と区別。しかし一般系統であっても、飼育環境や実験条件によりクラスC病原体感染に弱い場合があり、利用する系統の情報を参考にして利用者自身での検討が必要。

実施項目:

・   上表〇印を抗体産生、培養、PCR等により検査。

未実施項目:

・   一般系統に対するクラスCの検査。

・   クラスDの検査。

・   検査対象病原体表(クラスA、B、C、D)のいずれにも該当しない病原体の検査。

・   提供系統自体のマウスを用いた検査。

追加実施項目:

・  個体作製に用いた仮親または里親自体の微生物検査を希望に応じて有償にて実施。

・  作製した提供個体自体の微生物検査を希望に応じて有償にて実施。

・  その他の上記の未実施項目を希望に応じて有償にて実施。


▾海外機関のES細胞から作製したキメラ

得られた産仔(キメラマウスを含む)はすべて利用者へ提供。

▾遺伝品質検査

・   非実施。変異ES細胞の核型検査および交配によるノックアウト遺伝子の次世代への伝達試験も非実施。

▾微生物検査

・   3ヶ月に一度、個体作製に使用する仮親または里親マウスと同じ飼育ラックの囮マウスを用いた微生物検査を実施。検査結果はウェブカタログに掲載。

・   清浄化後の検査結果の全項目が陰性であることを目指すが、検査項目で陽性が判明した場合は、その内容を当該リソースを提供した利用者に通知およびホームページに掲載して注意を喚起。

 

微生物検査対象系統*

検査対象病原体(〇:実施 -:未実施)

クラスA

クラスB

クラスC

クラスD

Clostridium piliforme (Tyzzer’s organism),

Ectromelia virus,

Lymphocytic choriomeningitis virus (LCMV),

Mouse hepatitis virus (MHV),

Mycoplasma pulmonis,

Salmonella typhimurium,

Sendai virus (HVJ)

Filobacterium rodentium,

Citrobacter rodentium,

Corynebacterium kutscheri,

Dermatophytes,

Ectoparasites,

Helicobacter bilis,

Helicobacter hepaticus,

Intestinal protozoa,

Pasteurella pneumotropica,

Pinworms,

Salmonella spp.

Stapylococcus aureus,

Pneumocystis murina,

Pseudomonas aeruginosa

Lactate dehydrogenase elevating virus (LDHEV),

Mouse adenovirus (MAV),

Mouse cytomegalovirus (MCMV),

Mouse minute virus (MMV),

Mouse norovirus (MNV),

Mouse parvovirus (MPV),

Mouse polyoma virus (Poly),

Mouse rotavirus (EDIM),

Pneumonia virus of mice (PVM),

Reovirus type 3 (Reo 3),

Theiler’s mouse encephalomielitis virus (TMEV)

一般系統
免疫不全系統

*免疫関連遺伝子の欠損等によりクラスC病原体の感受性が高く、微生物学的に特に注意すべき系統を免疫不全系統として、その他の一般系統と区別。しかし一般系統であっても、飼育環境や実験条件によりクラスC病原体感染に弱い場合があり、利用する系統の情報を参考にして利用者自身での検討が必要。

実施項目:

・   上表〇印を抗体産生、培養、PCR等により検査。

未実施項目:

・   一般系統に対するクラスCの検査。

・   クラスDの検査。

・   検査対象病原体表(クラスA、B、C、D)のいずれにも該当しない病原体の検査。

・   提供系統自体のマウスを用いた検査。

追加実施項目:

・  個体作製に用いた仮親または里親自体の微生物検査を希望に応じて有償にて実施。

・  作製した提供個体自体の微生物検査を希望に応じて有償にて実施。

・  その他の上記の未実施項目を希望に応じて有償にて実施。


 

寄託される先生方へ

理研バイオリソース研究センター・実験動物開発室の事業は、研究者から寄託されたマウスとその付随情報から成り立っています。寄託者の皆様に深く感謝申し上げます。

さて、マウスが生物である以上、変異や汚染の発生は容易に想像できることであり、また実験系や知的財産権の高度化・複雑化に伴いリソースに関する正確な情報の把握が困難になってきています。しかし、これらが原因で、ご厚意でリソースを寄託した研究者が、利用者や第三者からの係争に巻き込まれることがあってはならないことであり、この度、利用者が同意する必要がある生物遺伝資源提供同意書を改定し、寄託者に対する免責文言を非営利用の第9項と第10項および営利用の第10項と第11項に加えました。このように法的環境を整備しましたので、積極的な寄託をお願い申し上げます。同時に、マウスを用いた研究の精度の向上のために、リソースと情報に関する幾つかのお願いを以下に記しました。ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

寄託時の品質管理

寄託者から提供された情報に基づいて品質検査を実施します。リソース情報ならびに関連論文の情報は、ウェブカタログに掲載します。 


遺伝検査

寄託者には、実験の再現性を確保するため、下記の遺伝検査に必要なプライマー情報、関連論文、マウスの作製方法、遺伝子組換えマウス作製のために使用したベクターやトランスジーンの塩基配列、交配履歴など、知りうる限りの正確な情報の提供をお願いします。当室では、情報提供のためのお手伝いをいたします。ご連絡ください。当室での検査の結果が提供いただいた情報と異なっていた場合は、その結果をお知らせするとともに、マウスの再送または情報の修正や追加情報の提供をお願いする場合があります。

BRCへ寄託予定のマウスについては、事前に導入遺伝子特異的な検査および代表的なマーカー遺伝子の検査(*)の実施を推奨致します。これまでBRCが、寄託されたマウスを検査したところ、導入遺伝子以外の変異遺伝子が誤って混入している事例(遺伝的コンタミネーション)が散見されています。事前に上記の検査等を行っていただくことにより、正しいマウスであることをご確認いただき、遺伝的コンタミネーションを含まない正しいマウスの寄託にご協力をお願い致します。

(*)この検査に最適なキットが Marker Gene Detection Kitとして東洋紡株式会社から発売されました。

 

・   検査は寄託時または提供前に実施し、結果およびプロトコールをウェブカタログに掲載。

・   系統の分類ごとの検査項目の実施状況を下表に記載。

 

系統の分類*

検査項目の実施()、一部実施(△)、未実施()の別

トランスジーン特異的検査1)

標的遺伝子特異的遺伝子型検査2)

KO-survey3)

loxP/FRT-survey4)

BAC-loxP検査5)

遺伝背景検査6)

LMO TG
LMO BAC-TG
LMO cTG
LMO KO, KI, CRISPR/Cas9
LMO cKO
自然・ENU誘発突然変異系統
近交系
野生由来系統

*系統の分類(略号):トランスジェニックマウス(TG)、BACクローンを用いて作製したトランスジェニックマウス(BAC-TG)、コンディショナルトランスジェニックマウス(cTG)、ノックアウトマウス(KO)、ノックインマウス(KI)、コンディショナルノックアウトマウス(cKO)、CRISPR/Cas9によるノックアウトマウス(CRISPR/Cas9)。

実施項目:

  1. トランスジーン特異的検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計したトランスジーン特異的なPCRプライマーにより、プロモーターとその制御下で発現する遺伝子を検出するPCR検査。
  2. 標的遺伝子特異的遺伝子型検査:寄託者から提供された情報に基づいて設計した標的遺伝子特異的なPCRプライマーにより検査。検査を実施した自然・ENU誘発突然変異系統とその結果はウェブカタログに掲載。
  3. KO survey:すべてのTG、KO、KI、CRISPR/Cas9および突然変異系統を対象とした、他の遺伝子組換えマウスとのコンタミがないことを確認するための代表的なマーカー遺伝子10種類(neo, Pgk-neo, Tk-neo, IRES, lacZ, GFP, Cre, Flp, Puro, Hyg)の検査(Nakata H et al. Exp Anim 58: 437-442, 2009)。
    2016年10月18日より、Marker Gene Detection Kitを用いてKO survey検査を実施しています。
  4. loxP/FRT-survey:cTGおよびcKOマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、各loxP(またはFRT)間の領域を増幅するPCRにより得られる断片の長さの検査(Nakata H et al. Genes Cells, 2021)。コンディショナル系統として必要な構造の確認。
  5. BAC-loxP検査:BAC-TGマウスを対象として、寄託者から提供された情報を基に、BACベクター由来のloxPの有無の検査。
  6. 遺伝背景検査:近交系、野生由来系統を特徴づける既知のマイクロサテライトマーカーまたはsingle nucleotide polymorphism (SNP)マーカーを用いたPCR検査。検査した系統とその結果はウェブカタログに掲載。

尚、寄託時のプロトコールがPCR以外の方法による場合は、寄託者から提供された情報に基づいてPCRによる検査をBRCにて設定。新たに論文発表等により、PCRによる遺伝子型判定が可能になった突然変異系統に関しては、逐次、プロトコールを作成・ウェブカタログに掲載。


微生物検査

・   生体マウス寄託の場合、清浄化操作の前ならびに後に微生物検査を実施。

・   凍結胚・精子寄託の場合、個体復元の際に微生物検査を実施。

・   下表の下線で示した人獣共通感染症病原体に汚染されたマウスの受け入れは不可。

 

微生物検査対象系統*

検査対象病原体(〇:実施 -:未実施)

クラスA

クラスB

クラスC

クラスD

Clostridium piliforme (Tyzzer’s organism),

Ectromelia virus,

Hantaan virus,

Lymphocytic choriomeningitis virus (LCMV),

Mouse hepatitis virus (MHV),

Mycoplasma pulmonis,

Salmonella typhimurium,

Sendai virus (HVJ)

Filobacterium rodentium,

Citrobacter rodentium,

Corynebacterium kutscheri,

Dermatophytes,

Ectoparasites,

Helicobacter bilis,

Helicobacter hepaticus,

Intestinal protozoa,

Pasteurella pneumotropica,

Pinworms,

Salmonella spp.

Stapylococcus aureus,

Pneumocystis murina,

Pseudomonas aeruginosa

Lactate dehydrogenase elevating virus (LDHEV),

Mouse adenovirus (MAV),

Mouse cytomegalovirus (MCMV),

Mouse minute virus (MMV),

Mouse norovirus (MNV),

Mouse parvovirus (MPV),

Mouse polyoma virus (Poly),

Mouse rotavirus (EDIM),

Pneumonia virus of mice (PVM),

Reovirus type 3 (Reo 3),

Theiler’s mouse encephalomielitis virus (TMEV)

一般系統
免疫不全系統

*免疫関連遺伝子の欠損等によりクラスC病原体の感受性が高く、微生物学的に特に注意すべき系統を免疫不全系統として、その他の一般系統と区別。

クラスA下線:人獣共通感染症病原体。

 

実施項目:

1. 生体マウス寄託の場合:

①       寄託個体から採血を行い、クラスAの微生物検査を実施。

②       清浄化に使用した里親マウスの微生物検査を実施(一般系統:クラスA、Bの検査、免疫不全系統:クラスA、B、Cの検査)。

③       3ヶ月に一度、胚移植用の仮親や里親マウスの当該飼育ラックの囮マウスの微生物検査を実施(一般系統:クラスA、Bの検査、免疫不全系統:クラスA、B、Cの検査)。

 

2. 凍結胚・精子寄託の場合:

①       個体復元に使用した里親マウスの微生物検査を実施(一般系統:クラスA、Bの検査、免疫不全系統:クラスA、B、Cの検査)。

②       3ヶ月に一度、胚移植用の仮親や里親マウスの当該飼育ラックの囮マウスの微生物検査を実施(一般系統:クラスA、Bの検査、免疫不全系統:クラスA、B、Cの検査)。

 


寄託マウスの受入れ・凍結保存・清浄化・提供の手順

精子凍結保存

対象系統:

・    次の系統を遺伝背景とする遺伝子改変系統や突然変異系統。

  B6、ICR、DBA/2、C3H、B6D2F1、B6C3F1、FVB、CBA、MRL

手順:

①    寄託マウスの精子を直ちに凍結保存。

最初の提供依頼を受けて、

②    体外受精により系統を個体化。

③    胚移植により清浄化してバリア施設へ導入。

④   提供のための繁殖。

⑤   提供及び凍結精子の補充。

⑥   生体維持を終了。

胚凍結保存

対象系統:

・    次の系統を遺伝背景とする遺伝子改変系統や突然変異系統。

  BALB/c、A、NODを含む精子凍結保存の対象系統以外の系統。

・    近交系やリコンビナント近交系など兄妹交配によりホモ型の状態で維持すべき系統。

・    雄の致死や不妊により精子を体外受精に使うことができない遺伝子改変系統や突然変異系統。

手順:

①    寄託マウスまたは仔マウスを用いた交配。

②    帝王切開により清浄化してバリア施設へ導入。

③    提供及び胚凍結保存のための繁殖。

④    提供及び凍結胚の補充。

⑤    生体維持を終了。

 

生体維持対象系統:

・   寄託時に提供のリクエストがある系統または需要が見込まれる系統。

手順:

①    寄託マウスまたは仔マウスの交配。

②    体外受精・胚移植または帝王切開により清浄化してバリア施設へ導入。

③    提供及び胚・精子凍結保存のための繁殖。

④    提供及び凍結胚・精子の補充。

 



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