C57BL/6N-BAC-creトランスジェニックマウスシリーズについてのお知らせ

C57BL/6N-BAC-creトランスジェニックマウスシリーズについてのお知らせ

平素より理化学研究所バイオリソースセンター・実験動物開発室をご利用いただき、誠にありがとうございます。

C57BL/6N-BAC-creトランスジェニックマウスシリーズ*について、「遺伝子組換え生物の情報提供書」の供与核酸へのPhage P1 loxP derived from pBACe3.6 vectorの追記のお願いとご利用にあたっての注意事項のご連絡を差し上げる次第です。

*C57BL/6N-BAC-creトランスジェニックマウスシリーズ:Nes-cre (RBRC03702, 03703), Tek-cre (RBRC03747), Vil1-cre (RBRC03801), Vil1-cre/Esr1(RBRC03812), Ins1-cre (RBRC03933, 03934), Insl-cre/Esr1(RBRC03949), and Wap-cre (RBRC03964)

先日、本シリーズの利用者から、導入遺伝子にloxPが含まれている可能性の連絡を受けました。当室にて当該系統と同じBACベクターを用いて作製した本トランスジェニックマウスシリーズのPCR検査を実施した結果、提供時の組換え情報提供書に記載のないpBACe3.6 vector 由来のloxPが導入遺伝子に存在することが判明しました。

お送りした系統については、発現制御領域とcre遺伝子を挟むPCR検査を実施しています。一部の系統では、ROSA26-lacZレポーターマウスとの交配によるCre組換え酵素の発現確認も実施しております。しかし、これまで、loxPが含まれていることを認識しておらず、そのための検査は実施しておりませんでした。コンディショナルノックアウトマウス等、他のloxPを含む系統またはCre組換え酵素を発現する系統と交配する場合は意図せぬ組換えが起きる可能性があり、特にご注意頂きますようお願い申し上げます。

また、導入遺伝子のコピー数は検査しておりません。仮に、複数の導入遺伝子が並列してゲノム内に挿入されている場合には、系統や実験により、導入遺伝子に含まれるloxP同士で挟まれた遺伝子が、導入遺伝子自身が発現するCre組換え酵素により切り出される可能性があります。

提供いたしました系統を用いて、予想していた実験結果が得られているのか大変心配いたしております。これまでご利用いただいた結果で不都合な点や問題点がございましたら、animal.brc@riken.jpまでご連絡いただきますようお願い申し上げます。

この度は、利用者の皆様には多大なご迷惑をおかけすることとなり、大変申し訳ございません。取り急ぎご連絡を申し上げるとともに、心よりお詫び申し上げます。

当室では、二度とこのようなことが起こらない様に、再発防止策として、寄託者・開発者からの系統に関する正確な情報収集に努め、BACクローンを用いたトランスジェニックマウスを対象にloxP遺伝子を含めた遺伝子検査の拡充を実施しました。利用者の皆様に高品質なマウスを提供するために、マウスリソースの厳格な品質検査を実施してまいる所存です。今後とも理研バイオリソース事業へのご理解とご支援の程、宜しくお願い申し上げます。



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