December 2024 Mouse of the Month |
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生体内タンパク質間相互作用を解析可能な C57BL/6J-Gt(ROSA)26Sor<em1(floxed-EGFP-Arntl-BirA<*>)Murk> (RBRC12179)
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近接依存性ビオチン標識化法(BioID)は、ターゲットとするタンパク質の近傍に存在するタンパク質をビオチン標識し、タンパク質間相互作用を解析する技術です。物理的に直接相互作用しているタンパク質を検出する従来の免疫沈降法、プルダウンアッセイ法、タンデムアフィニティ精製等とは異なり、BioID法は、これまで検出困難であった一過性で弱い結合因子や難溶性複合体の複合因子など、近傍の関連タンパク質も網羅的に解析可能です。寄託者の村田先生らは、R118G変異を持つBirAビオチンリガーゼ(BirA*)を採用し、Brain and Muscle ARNT1-Like 1 (BMAL1)タンパク質をターゲットとした、マウス個体でBioID可能なノックインマウスを作製しました[1]。 Bmal1は時計遺伝子として知られ、核内でBMAL1タンパク質とCLOCKタンパク質がヘテロ2量体を形成して、サーカディアンリズムに関連する遺伝子の転写を活性化します。EGFPflox-BMAL1-BioID (RBRC12179)系統は、Cre酵素非存在下では緑色蛍光タンパク質EGFPを発現し、Cre酵素による組み換え後にはBMAL1-BirA*融合タンパク質を発現します。BMAL1-BioID (RBRC12180)系統は、内在性のROSA26遺伝子プロモーター制御下かつ外来性のCAGプロモーター制御下でBMAL1-BirA*-HA融合タンパク質を発現します。実際に本系統からマウス胎児線維芽細胞(MEF)を作製し、予測通りビオチン標識が起こったことを確認しています。また、生体においては、高ビオチン食を給餌することで、非侵襲的にビオチン標識可能であることを確認しています。本系統はBMAL1のタンパク質の相互作用因子の解析に有用です。また、in vivo BioIDシステムはさまざまなターゲットに応用可能であり、今後の発展利用が期待されます。 |
Keywords | : | in vivo BioID、ビオチン標識、タンパク質間相互作用、サーカディアンリズム、高ビオチン食 | |
Depositor | : | 村田知弥先生(筑波大学・寄託当時) | |
Strain name | : | C57BL/6J-Gt(ROSA)26Sor<em1(floxed-EGFP-Arntl-BirA<*>)Murk> | |
RBRC No. | : | RBRC12179 | |
Strain name | : | C57BL/6J-Gt(ROSA)26Sor<em1.1(floxed-EGFP-Arntl-BirA<*>)Murk> | |
RBRC No. | : | RBRC12180 | |
Reference | : | [1] | Murata K, Mimura A, Suzuki H, Mikami N, Hamada Y, Kato K, Iki N, Ishida M, Daitoku Y, Tanimoto Y, Okiyoneda T, Fujiyama T, Dinh TTH, Mizuno S, Sugiyama F. Efficient induction of proximity-dependent labelling by biotin feeding in BMAL1-BioID knock-in mice. J Biochem. 2021 Dec 4;170(4):453-461. |
December 2024 Saori Mizuno, Ph.D. Contact: Experimental Animal Division, RIKEN BioResource Research Center (animal.brc@riken.jp) All materials contained on this site may not be reproduced, distributed, displayed, published or broadcast without the prior permission of the owner of that content. |