In vivo イメージングに有用な 新規ヘアレスマウス

RIKEN BRC February 2020
Mouse of the Month

In vivo イメージングに有用な
新規ヘアレスマウス

C57BL/6J-Hr<em1Utr> (RBRC10096)

hairless mouse

Courtesy of Fumihiro Sugiyama, Ph.D.

成体のHrem1Utr/em1Utrマウス。若干、皮膚のたるみが見られるが、遺伝的に無毛形質を示す。

 

生体内の遺伝子やタンパク質といった分子の挙動を非侵襲的に観察し、定量・定性的解析を行うin vivoイメージングは、近年急速に需要が高まっている解析技術の1つです。このin vivoイメージングを、マウス個体で行う場合には、事前にマウスの除毛を行っておく必要があります。マウスの毛は、毛色に関係無く、光を遮断、吸収、散乱させることが知られているためです。従来、カミソリや除毛クリーム等を用いた除毛が行われてきましたが、出血、瘡蓋のリスクや、タイムロスといった問題点がありました。そこで、この問題を解決するために、寄託者の杉山先生らによって開発されたのが、今回ご紹介するHrem1Utr/em1Utrマウス(RBRC10096)です[1]。本系統はCRISPR/Cas9システムを用いて作製された、Hr遺伝子の変異によって無毛形質を示すマウスです。Hr遺伝子は毛周期調整との関連が報告されており、既存のヘアレスマウス[2]もHr遺伝子変異を持ちます。実際に、Hrem1Utr/em1Utrマウスの成体は、完全に脱毛し、インドシアニングリーン(ICG; 励起波長: 800 nm、蛍光波長: 840 nm)および近赤外蛍光タンパク質(iRFP; 励起波長: 690nm、蛍光波長: 713nm)のin vivoイメージングが可能であったことが報告されています。

 

Depositor : 杉山 文博 先生
筑波大学生命科学動物資源センター
Strain name : C57BL/6J-Hr<em1Utr>
RBRC No. : RBRC10096
References : [1] Hoshino Y, Mizuno S, Kato K, Mizuno-Iijima S, Tanimoto Y, Ishida M, Kajiwara N, Sakasai T, Miwa Y, Takahashi S, Yagami KI, Sugiyama F.
Simple generation of hairless mice for in vivo imaging.
Exp Anim.; 66(4):437-445, 2017.
[2] Hairless Congenics for Dermatology Studies.
Mouse of the Month Nov 2011.

 

February 2020
Saori Mizuno, Ph.D.
Contact: Experimental Animal Division, RIKEN BioResource Research Center (animal.brc@riken.jp)
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