Ucp1 in vivoイメージングマウス

RIKEN BRC February 2021
Mouse of the Month

Ucp1 in vivoイメージングマウス

C57BL/6J-Ucp1<em1(iRFP720)Utgr> (RBRC10928)

マウスの褐色脂肪組織におけるiRF720蛍光シグナル

Courtesy of Aya Fukuda, Ph.D.

野生型 (WT)、ヘテロ接合型 (HET)、ホモ接合型 (KI)
マウスの褐色脂肪組織におけるiRF720蛍光シグナル

 

UCP1(uncoupling protein 1)は、褐色脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞で発現するミトコンドリア脱共役タンパク質です。ミトコンドリア内膜では、電子伝達系により、ATP合成酵素を利用して、ATPを産生していますが、UCP1は、この内膜で、プロトン輸送体として、電子伝達系とATP合成とを脱共役させて、エネルギーを熱として放散させる働きをしています。そのため、UCP1の発現は熱産生の重要な指標として用いられています。
今回ご紹介するUcp1 in vivoイメージングマウス(RBRC10928)は、Ucp1遺伝子の翻訳開始部位に、蛍光タンパク質iRFP720を挿入したノックインマウスです。iRFPは、体内で吸収されにくい近赤外光を発し、従来の蛍光タンパク質と比較して、蛍光強度や安定性が高いという特徴があることから、非侵襲的に、かつ、自家蛍光を最小限に抑えたin vivoイメージングに適した蛍光プローブとして、知られています。実際に、寄託者の福田綾先生らは、本系統の褐色脂肪細胞、ベージュ脂肪細胞でiRFP720の発現が確認できたことを報告しています。UCP1は、臨床面においても、肥満、糖尿病、高脂血症などの代謝疾患の治療ターゲットとして、注目されている事から、Ucp1 in vivoイメージングマウスは、今後の代謝関連研究の発展に有用な系統といえます。

 

Depositor : 福田 綾 先生
筑波大学
Strain name : C57BL/6J-Ucp1<em1(iRFP720)Utgr>
RBRC No. : RBRC10928
Reference : [1] Fukuda A, Honda S, Fujioka N, Sekiguchi Y, Mizuno S, Miwa Y, Sugiyama F, Hayashi Y, Nishimura K, Hisatake K.
Non-invasive in vivo imaging of UCP1 expression in live mice via near-infrared fluorescent protein iRFP720
PLoS One. 2019 Nov 15;14(11):e0225213.

 

February 2021
Saori Mizuno, Ph.D.
Contact: Experimental Animal Division, RIKEN BioResource Research Center (animal.brc@riken.jp)
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