B細胞で発現するCreドライバーマウス

RIKEN BRC January 2023
Mouse of the Month

B細胞で発現するCreドライバーマウス

B6-Cd19<tm1.1(icre)Yoba> (RBRC11522)

B cell-specific

B cell-specific and efficient Cre-mediated recombination activity in CD19-iCre line.
EYFP expression is demonstrated in CD19+ B220+ B cells and CD19 B220 non-B cells from spleen of Cd19iCre/+R26EYFP mice.

B細胞は、病原体に対する液性免疫において重要な役割を担う獲得免疫細胞の一つです。骨髄の造血幹細胞/前駆細胞に由来し、免疫グロブリン遺伝子と転写因子とのネットワークによって、分化が進行していきます。B細胞は、自己免疫、炎症、アレルギーなどの疾患において、エフェクター細胞として働き、抗体産生、抗原提示、炎症性サイトカインの分泌などを通して免疫反応を行います。また、B細胞はIL-10やIL-35などの抗炎症性サイトカインを介して、免疫反応を抑制することも報告されています。
今回ご紹介するCD19-iCreノックインマウス(RBRC11522)は、B細胞でiCreを発現するCreドライバーマウスです。Cd19の3’末端停止コドンの直前にT2A-iCreカセットがインフレームで挿入されており、Creレポーターマウスとの交配により、B細胞の骨髄での初期分化段階において高効率でCre/loxP組み換えが生じ、その後の分化過程においてもCre/loxP組み換えが生じることが明らかになっています。B細胞の分化過程とその機能、そして、それに関わる分子ネットワークの解明は、基礎免疫学分野だけでなく、臨床面においても重要であり、本系統の有効活用が期待されます。

 

Keywords : B細胞、Cd19、骨髄、Cre/loxPシステム、iCre
Depositor : 馬場 義裕 先生
九州大学
Strain name : B6-Cd19<tm1.1(icre)Yoba>
RBRC No. : RBRC11522
Reference : Yasuda T, Saito Y, Ono C, Kawata K, Baba A, Baba Y.
Generation and characterization of CD19-iCre mice as a tool for efficient and specific conditional gene targeting in B cells.
Sci Rep. 2021 Mar 9;11(1):5524.

 

January 2023
Saori Mizuno, Ph.D.
Contact: Experimental Animal Division, RIKEN BioResource Research Center (animal.brc@riken.jp)
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