血友病Bモデルマウス C57BL/6J-F9<em1Tsuka> (RBRC10062)Courtesy of Tsukasa Ohmori, M.D., Ph.D. アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる血友病Bマウスの血液凝固因子Ⅸ (FIX)活性の改善(n=3, Mean±SEM)。 |
血友病BはX染色体上にある血液凝固第Ⅸ因子遺伝子(F9)変異に起因する伴性劣性遺伝性の出血性疾患です。現在、日本国内の血友病B患者数は1,100人以上といわれ、その治療には血液凝固第Ⅸ因子製剤が用いられています。しかし、半減期が短いために定期的な注射が必要であり、血液凝固因子製剤に対する抗体が産生される場合もあります。このような問題点が指摘されているため、新規治療法の開発が期待されています。 今回ご紹介する血友病Bモデルマウス(RBRC10062)は、ゲノム編集法の1つであるCRISPR/Cas9システムを用いて責任遺伝子F9に変異を生じさせた系統で、第8エクソンに12 bpの欠失があることが明らかになっています。表現型としては出血傾向が見られ、ヒトの血友病B診断でも行われる、凝固時間の延長、および血液凝固第Ⅸ因子(FIX)の活性低下が確認されています。また、この血友病Bモデルマウスを用いて、CRISPR/Cas9システムとアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた新たな遺伝子治療法も報告されています。この成果は新聞等でも報道され、社会の関心を集めました。 |
Depositor | : | 大森 司 先生 自治医科大学 医学部 生化学講座 病態生化学部門 |
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Strain name | : | C57BL/6J-F9<em1Tsuka> | |
RBRC No. | : | RBRC10062 | |
Reference | : | Ohmori T, Nagao Y, Mizukami H, Sakata A Muramatsu SI, Ozawa K, Tominaga SI, Hanazono Y, Nishimura S, Nureki O, Sakata Y. CRISPR/Cas9-mediated genome editing via postnatal administration of AAV vector cures haemophilia B mice. Sci Rep.; 7(1):4159., 2017. |
June 2019 Contact: Saori Mizuno, Ph.D. Experimental Animal Division, RIKEN BioResource Research Center All materials contained on this site may not be reproduced, distributed, displayed, published or broadcast without the prior permission of the owner of that content. |