RBRC01834 C57BL/6-Tg(CAG-flpe)36における肺パスツレラ検出のお知らせ

当室の臨時で実施した微生物検査において、RBRC01834 C57BL/6-Tg(CAG-flpe)36(B6-CAG-flpe)系統のマウスからPasteurella pneumotropica(肺パスツレラ)が検出されたため、お知らせしますとともに、ご利用にあたっての注意事項につきましてご連絡差し上げます。

肺パスツレラは、グラム陰性桿菌で、日和見病原体(※)に分類されており、通常の動物に対しては極めて病原性が弱いと考えられています。しかし、免疫不全動物への感染実験では肺病変の形成やそれによる死亡個体がみられるとの報告があります。
(参考文献等)
http://www.jalas.jp/journal/62-1.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/expanim/60/5/60_5_463/_article
http://www.iclasmonic.jp/microbiology/category/category_d.html#Pp

現在も当センターが提供した当該系統をご利用の場合には、貴施設管理者または獣医師とご相談の上、当該系統および当該系統との交配マウス及びその子孫のマウスの検査の実施および抗生物質投与による肺パスツレラ排除等のご対応のご検討をお願い致します。

当該系統については、2006年の施設導入時の里親を用いた検査およびその後定期的に実施している囮動物による検査では肺パスツレラは検出されませんでした。今回、直接拭い試料を採取して検査したところ、当該系統および当該系統と交配子孫の系統のみから肺パスツレラが検出されました。既に、肺パスツレラ陽性のマウスは全てバリア施設から排除しました。当該系統は受精卵移植により再清浄化いたします。再清浄化後のマウスのご希望がございましたら、ご用意させていただきますので、ご連絡下さい。

当室では、今後、肺パスツレラを見逃さぬよう、再発防止策として、各系統から定期的に直接拭い試料を採取して検査を徹底する等、微生物検査を改善してまいります。今後とも理研バイオリソース事業へのご理解とご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

本件に関するご質問ならびにご要望等につきましては、animal.brc@riken.jpまでご連絡いただきますようお願い申し上げます。

※用語説明

日和見病原体:
通常の動物に対しては病原性がないか極めて弱い病原体で、免疫不全動物において感染症を引き起こすことのある病原体。



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